戦史の探求

戦史の情報を整理し探求するサイトです。 古今東西の全てを対象とし、特に戦況図や作戦図に着目しながら戦略・作戦・戦術について思索します。

『計画通りの戦術で、LNAはGNAをトリポリ南部へ誘き寄せようと試みている』
LNA情報筋によると、その目的はベンガジとデルナでかつて発生した長きに渡る消耗戦と破壊が繰り返されるのを避けるためである

 2019年4月14日
https://thearabweekly.com/deliberate-tactic-lna-tries-draw-gna-forces-south-tripoli

 2019年4月現在進行中の第2次リビア内戦に関し、The Arab Weekが上記の報道をしました。この偽装退却戦術について戦略/作戦背景と戦況に合致/矛盾する箇所(試みたが失敗した箇所?)を取り敢えず判る範囲で書いてみようと思います。正直個人的にはこの情報筋は偽ではないかと疑っていますが、正しいと仮定して以下は検討を進めます。読まれた方のご意見を教えて頂けたら幸いです。
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 2019年春、米空軍大学出版のAir & Space Power Journalにある論考が掲載されました。論題は「Small Unmannned Aerial Systems and Tactical Air Control」。ハースト少将が記述したこの論文は空軍そして陸軍による航空軍事作戦・戦術のコンセプトに対して極めて興味深い思索をしています。これから少し経った3/28、ハースト少将は軍事安全保障サイトWar on the Rocksに寄稿、論作の中で取り上げた戦術的空域コントロールの概念とその背景について要約した解説をしてくれました。
 今回この戦術空域コントロールコンセプトについて意見を少しでも聞けたらと試訳を行いました。

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 以下訳文
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発達しゆく戦術空域コントロールを巡る戦闘

Jules Hurst著  2019年3月28日

 空域コントロールを巡る競争の中で、小型無人航空システムの成熟と拡散普及により新たな段階が生まれている。2017年、ISILと米軍の支援を受ける軍事勢力との間で戦術的制空権(Tactical Air Supremacy)を巡る最初の戦闘の1つが戦われた。1000$未満の商業ドローン即席ジャマー、そして小規模武装の間の戦いだ。ISILが2000フィート(約600m)以下の航空優勢を握っていた期間でも、米軍と連合軍はそれより上空の制空権を握っていた。
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情報確認中。日付は半日~1日ズレ

 2019年4月現在、第二次リビア内戦が動きを見せトリポリ政府軍(GNA)とトブルク政府リビア国民軍(LNA)が交戦中です。国連事務総長の説得も実らずLNAのトリポリに向けた進軍が開始され国際的に広く認められているトリポリ政府は危機に瀕しています。
 しかし4/8時点で限定的な反撃が確認され戦況が著しい変化を見せており、トリポリ南面での逆包囲作戦が展開中の可能性があります。この反撃をトリポリ政府軍が続けられる体力があるのか注視しています。

 以下にはトリポリ南面での戦況の個人的なメモを残します。現在進行系であり情報は全て確認中かつ日付にズレありです。急ぎのため恐縮ですが他者に読んでもらえる質の文にはできず申し訳ありません。
20190331全体

2019年3月末の勢力図。※都市以外は人口過疎地帯が多く未確定 画像出典:Suriyakmapsより

LNA攻勢作戦名=「尊厳の氾濫」作戦 Operation Flood of Dignity
GNA反攻作戦名=「憤怒の火山」作戦  Operation Volcano Rage
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 米陸軍が公開してくれているACCPに短くまとめられたソ連軍の追撃戦に関する項目があったので紹介してみることにします。以下の文は核攻撃の可能性を含む追撃条件の下で、相手(ソ連軍)がどう考えて行動してくるか想定できるようにするために米軍が作った教練項目の1つです。(本文中に出てくるものはほぼ戦術核想定)
 いつもながら推敲していない直訳なのでご助言大変感謝致します。
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 米軍の追撃戦に関してはFM3-90 chapter7などをご参照下さい。ソ連とおおよそ類似する概念が書かれていますが完全に同じではありません。
Frontal PursuitCombination PursuitPursuit Control Measures
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以下、本文開始

 学習項目2:

後退作戦実施時の米軍へのソ連の脅威を知る

 ソ連の軍事辞典は「追撃」を以下のように定義している。

『撤退中の敵軍への攻撃、敵軍の最終的な破壊か捕獲を目的とする進行中の作戦または戦闘を実施する事である。敵主力部隊へ(火力投射)打撃し、容赦の無い精力的な並行追撃や追尾追撃を実施し、敵撤退進路を塞ぎ、そして敵軍の側面や後背を攻撃することにより撤退中の敵軍の破壊は達成される。』

 撤退中の軍を追跡するソ連軍によって使われる戦術に関して、この教練は貴方を習熟させるだろう。ここでのデータはまるでソ連軍将校が使用するために書かれたかのように表現される。それにより追撃作戦中のソ連指揮官の目を通して戦場を「見る」ことをアシストするだろう。
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 CIAが1970年6月に入手した、ソ連・ワルシャワ条約機構軍による南欧・トルコ等NATO諸国への攻勢演習図の紹介です。
 元は冷戦が終わりCIAが公開してくれている下記ワルシャワ条約機構の分析レポートからです。1955~1985年の各種の(元)機密報告書を要約し分析をして実に短く読みやすくまとめてくれていますが、その分詳細についてもっと長く書いてほしいと思うかもしれません。多いのでとりあえず作戦図のみ紹介しますが、冷戦期写真はCIAやNARAが多数公開してくれているので元サイトなどを参照頂ければいくつも興味深いものが見られます。

掲載元
CIA公式サイト・ライブラリー
CIA Analysis of the Warsaw Pact Forces: The Importance Of Clandestine Reporting
https://www.cia.gov/library/publications/cold-war/the-warsaw-pact-forces 

CIA公式Flickr
https://www.flickr.com/photos/ciagov/sets/72157631830870415

Soviet_Map_01_-_Warsaw_Pact_Plan_of_Action_CIA

 <ワルシャワ条約機構の南欧及びトルコ侵攻計画全体図>
西側と東側と明記されている
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