戦史の探求

戦史の情報を整理し探求するサイトです。 古今東西の全てを対象とし、特に戦況図や作戦図に着目しながら戦略・作戦・戦術について思索します。

 今回は片翼が一時的に押し込まれ包囲形が見え始めた時、そこから逆襲する戦術の事例としてアヴァライールの戦い(Battle of Avarayr)を紹介したいと思います。この会戦はアルメニア史およびアルメニア正教にとって極めて重大な戦争として位置づけられておりますが、ササン朝側に重点を置きながら紹介したいと思います。
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 拙稿【アヴァライールの戦い_451_逆包囲】の前半章を占める会戦に到るまでの両国関係史についてその概略を記しました。(ヤズダギルド2世の父)バハラーム5世までです。
 歴史に関する記事としては短すぎ、会戦戦史の序文にしては長すぎる文ですが、アヴァライールの戦いの戦略的勝利の解釈をするために必要かと思い残しておきます。

→戦術と軍事戦略についての別記事【アヴァライールの戦い_451_逆包囲】
http://warhistory-quest.blog.jp/19-Jun-26続きを読む

 『シュロゲー・タクティコールム(Sylloge Tacticorum=Συλλογή Τακτικών )』は10世紀にギリシャ語で記述された著者不明の東ローマ軍事書籍です。様々な状況に対応するための方策や戦術を過去の軍事書や東ローマ(ビザンティン)軍の経験に基づいて計102項目にわたり編集されています。おおよそテーマが章まとめされており以下のような構成になっています。

1~57項 (⇒ リンク後日作成)
:各種軍事ノウハウ(指揮、包囲戦、戦闘や行軍隊形、戦利品分配、敵強襲への対応、奇襲方法、伏撃、野営地設営、将校のポスト、諜報活動、戦闘停止、他...)
58~75項  
:直接的武力行使以外での軍事方策(食料や水場への毒、焦土戦術など)
76~102項 (⇒ リンク後日作成)
:その他指揮に関する古代ローマ&ギリシャ教訓集など

※ 同じく10世紀に軍事的に活躍した皇帝ニケフォロス2世フォカスを中心に『Praecepta Militaria』が記されましたが、この軍事書にはシュロゲー・タクティコールムを基礎としている箇所が複数あります。(変更箇所も)

Sylloge Tacticorum Georgios Chatzelis氏とJonathan Harris氏による英訳版を基に個人的に面白いと感じた部分を紹介していこうかと思います。(部分抜粋の上で超訳です。植物などの単語はおそらく間違いあると思うので気づいたら教えて頂けたら嬉しいです)
 英訳本に詳しく説明が書かれていますが、現在のテキストにはいくつか検証すべき問題点があり東ローマ研究者の方々が進めてくれています。本サイトはただの紹介で検証などはしていないので、興味がある方は原著をぜひ読んでみてください。
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※ 本記事はアンカラの戦いの会戦戦術そのものについては記述せず、その場所に到るまでにティムールが行った戦略と諸作戦、特にその行軍について記します。

 中央アジアで覇を唱えた大アミル・ティムールが小アジア及びバルカン半島で拡大を続けるオスマン朝のバヤジット1世と対決したアンカラの戦いは広く知られています。
 両国共に隆盛期であり数多の戦歴を重ねそして勝ち続け巨大な勢力となっていました。2大国の衝突は大会戦へと到り戦争そのものに決定的な勝敗を生み出します。ここで展開された作戦について記述してみたいと思います。
Timur_Campagin at Asia Minor
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 現在進行中の第2次リビア内戦の航空戦力について2019年前半期時点での戦力及び攻撃概要を列挙します。
 トリポリ政府の主力軍GNAとトブルク政府のLNAそれぞれが航空戦力を保有しており、基本的にGNA派空軍とLNA派空軍と呼称されるため今回はそれに習います。両派共極めて苦しい事情の中でやりくをしていますがそれでも地上軍への航空支援で大きく活躍をしています。
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