サンスクリット語の「 व्यूह = Vyuha(ビューハ)」は軍事的には部隊配置という意味で使われ、「一般的なビューハ」は陣形と捉えられます。ただしあくまで一時的な位置関係を示すのみであり、そこから流動的な展開をするのが殆どです。

 古代インドの陣形について参考程度ですが判った範囲で紹介しようと思います。…ご覧になればお分かりになるかと思いますが、色々と困惑させてくれる陣形集です。
 最初はお伽噺だと気にしていませんでしたが、バクシ少将が大真面目に資料を作成したのを見て慌てて調べ直しました。
Garuda_vyuha_(eagle_like_array) - 2

古代インドに関する文献

 まず列挙したこれらの陣形の大半が書かれている最古の文献はカウティリヤの『実利論』と古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』です。

 実利論はマウリヤ朝の宰相カウティリヤが前4~前3世紀に書いたと伝承される文献です。合理主義的な思考が基本と成っており軍事の陣形も信じがたいものは少ないです。
 マハーバーラタは前4世紀~後4世紀の時代に造られ追記されてきたと考えられており、それまでの古代の歴史を基にしている部分が多いため様々な学者の方が様々な発掘・考察をしてくれています。
 ただこの叙事詩は多分に創作・アレンジがあり現実離れをした伝説が含まれています。そのため陣形について鵜呑みは正直難しく、かといって根本的に資料が少ないため否定も断言できないので下記には分けて書いておきます。

 マハーバーラタにでてくる陣形が他の文献にも登場することがあります。例えば鷲陣形は『実利論』の第10巻「戦闘関連」の第5章にも明記されています。
 とりあえず今回は各陣形の大まかな紹介だけを目的としようと思います。

古代インドの基本陣形_実利論など

【00-1. 『横陣』】

名称:Danda 『横陣形』
内容:広く展開した横陣だが、部隊を3~5つに大きく分割して指揮系統を作る。

Staff like Arrayと英訳されている。基本となるこの横陣に不思議な点は特に無い。同時期のマケドニア侵攻を考えて密集もされていたと捉える。左翼、中央、右翼だけでなく、肩にあたる2つの部分を追加して5つの分け方をしている所が興味深い。
横陣_danda

【00-2. 『突撃陣』】

名称:Pradara 『突撃陣』
内容:重点を形勢し敵陣の突破を図る陣形またはマニューバの総称

突破の目的で使われるため突破部隊の数は明確な定義がなく広い意味で使われているようだ。基本的に中央両肩の部隊2つが突破部隊として重点を形成する。
pradara_breaking

【00-3. 『堅牢陣』】

名称:Dridhaka 『堅牢陣』
内容:相手の攻撃を防ぎながら倒すことを主な目的として重点を形成する陣形またはマニューバの総称。

相手が攻撃に出てくることを想定し迎撃できるようにした陣形を主に指している。基本的に両翼が折れ曲がって後ろに後退するか、大量に配備される。方陣もここの分類に入る。ただし必ずしも防御だけとは限らず正面部隊の攻勢も考慮に入れている。
DRIDHAKA_Firm_方陣

【00-4. 『圧倒陣』】

名称:Asayha 『圧倒陣』
内容:相手の側面をつけるような陣形またはマニューバの総称

基本的に相手より横陣を長く延翼するか、両翼が軽快な部隊で相手の側面をつけるようにする。他の両翼包囲との違いは両翼が正面から圧倒することを主眼にしていない点だが、多分に被る箇所も多い。

【00-5. 『ワシ型陣』】

名称:Syena / Garud 『ワシ型陣』
内容:横陣を広く展開しながらも中央に突破重点を形成する。

かなりの対応能力を持っていたと考えられている陣形。複数の文献に登場する。
中央に本隊を置き、その前方に楔形の重点形勢部隊を配置する。両肩に当たる位置に中央左翼、中央右翼を配備、その端に最左翼、最右翼をつける。
兵力に余りがあれば後衛にも予備を配置して尾翼を形勢する場合もある。
Garuda_vyuha_(eagle_like_array)

【00-6. 『勝利陣』】

名称:Sanjaya 『勝利陣』
内容:両翼が押し込む陣形及びマニューバの総称

所謂V型・鶴翼陣形。基本としては中央と中央両肩の部隊は基本的に横陣を展開、両翼が対面を圧倒しすることを目標とする。包囲してもいいし各部隊が単純に対面に勝利しても良い。Victoryという意味の名を冠していることが興味深い。勝利陣ではなくもっと良い邦訳がおそらくあるはず…。
sanjaya_victory

【00-7. 『征服陣』】

名称:Vijaya 『征服陣』
内容:両翼を崩されないようにしながら中央主力が敵を圧倒する陣・マニューバの総称

初期配置は勝利陣と似ているが実は重点が中央に置かれている。両翼は一応対面を倒そうとするがあくまで敵に両翼を圧倒されないようにすることが主眼とされる。そのため中央を突き出る形になることが基本である。SanjayaとVijayaは使い分けを最初に見抜くのがかなり重要だったようだ。
更に中央厚みを増したものをVisalavijayaと呼んだ。
vijaya

【00-8. 『大耳陣』】

名称:Sthulakarna 『大耳陣』
内容:左翼・中央・右翼の3つに大きく別れさせる陣形の総称

左翼・中央左翼を一緒に(右翼も同様に)してしまうというものの総称で他の陣形と被る場合が多い。バランス良く精兵や将を配置できシンプルな所が特徴。隙間もできにくいと考えられる。ただし5つに分けた陣形よりも包囲攻撃に移るのが難しいと言われる。単に各部隊にわけて行動させられない場合も大耳陣になる。

【00-9. 『蛇陣』】

名称:Bhoga 『蛇陣』
内容:前方の人に続いて行進していく陣形。

所謂縦隊。前の人に続いていくのでまっすぐとは限らず蛇行することもあるとして蛇の名が使われる。行軍に使われたと考えられている。

【00-10. 『マンダラ陣』】

名称:Mandala 『マンダラ陣』
内容:全周囲に向かって兵士を配列する

 マンダラ模様のように中心に主力または重要な将を置き、そこから各部隊を周辺に配置する陣形の総称。
mandala

【00-11. 『散開陣』】

名称:Asamhata 『散開陣』
内容:巨大な陣を組まず、各部隊を小分けしてそれぞれ独自に戦うことができるようにすることの総称

Asamhataの直訳不明のため意味をそのまま名称に記載。どの程度使われたのか不明。
個人規模の散兵というわけではなく小部隊ごとというニュアンスが強い。

【00-12. 『曲形陣』】

名称:Sarpasari 『曲形陣』
内容:戦列の厚みが一定でなく、箇所によっては薄くなったり厚くなる横陣の総称

蛇の形の戦闘陣と呼ばれ、Gomutrikaとも。

また2つの線から構成されることをValayaと呼んでいる。
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[一覧]
00-1. 『横陣』
00-2. 『突撃陣』
00-3. 『堅牢陣』
00-4. 『圧倒陣』
00-5. 『ワシ型陣』
00-6. 『勝利陣』
00-7. 『征服陣
00-8. 『大耳陣』
00-9. 『蛇陣』
00-10. 『マンダラ陣』
00-11. 『散開陣』
00-12. 『曲形陣』

マハーバーラタ等の各陣形紹介

【01. 『三叉陣形』】

名称:Trishula vyuha 『三叉陣形』“त्रिशूल व्यूह”
内容:全体を3つに分け、それぞれが突撃隊形を取る陣。

オーソドックスな横陣でそれぞれ大まかに左翼・中央・右翼と分けたモノとも考えられる。
3叉陣

【02. 『鷲陣形』】

名称:Garud vyuha 『鷲陣形』“गरुड़-व्यूह”
内容:羽を広げたワシの形を全体が構成する陣。

実戦で使用された可能性が最も高い。実利論にも登場し、マウリヤ朝の戦闘で類型をとったと言う者もいる。
まず中央に本隊を置き、その前方に楔形の重点形勢部隊を配置する。両肩に当たる位置に中央左翼、中央右翼を配備、その端に最左翼、最右翼をつける。
兵力に余りがあれば後衛にも予備を配置して尾翼を形勢する場合もある。
中央の重点による突破と、両翼の包囲の両方を状況に合わせて伺わせる。
Garuda_vyuha_(eagle_like_array) - 2

【03. 『鰐陣形』or 山羊陣形 】

名称:Makara vyuha 『鰐陣形』 “मकर व्यूह” (直訳では山羊)
内容:両翼に重点を形成させる

サンスクリット語の直訳は山羊となると思われるが英語圏ではクロコダイル陣形と翻訳されている。少将はこれを口の広げた魚の形で表現している。
いずれにせよ意味する所は同じである。ワニや魚が口を広げた形のように右翼と左翼に戦力が集められ全体として2つの尖った陣を形成する。この上顎と下顎が敵の部隊を突破することを企図または敵の中央部隊を挟み込む。状況次第では包囲形をとろうとしてくる敵の翼を粉砕する。
実利論にでてくるGhashasya(魚顔陣形)と類似する。
krauncha-makara1
krauncha-makara2
ワニ_魚_Kaurava_Makara Vyuha
ワニ

【04. 『三日月陣形』】

名称:ArdhChandrakala vyuha  『三日月陣形』“अर्धचन्द्र व्यूह” 曲刀陣形とも言われる
内容:中央が凹んだ形で両翼を広げる

横陣だが両翼が相手を包み込むように前に出て展開する。曲面が強調されていることに特徴があるかと思われる。諸外国でも類似形が見られる。
三日月_Pandavas_Ardhachandra_Vyuha

【05. 『海陣形』】

名称:Oormi vyuha  『海陣形』"मंडल व्यूह"
内容:各部隊が小波のような陣をつくり、全体としては半円の形状で配置される

一応包囲を狙っているようだが各部隊の独自性が強調されている。波がいくつも押し寄せるように攻撃したのかもしれない。最も困難な陣とも言われる。
海_波

【06. 『鷺陣形』】

名称:Krauncha vyuha  『鷺陣形』“क्रौंच व्यूह”
内容:サギの鳥のように羽を広げて首を延ばす形態

ワシ陣形及び三日月陣と類似するが、モデルとなるサギの特徴である長い首が差異。この先頭に一騎打ちをする将や突撃部隊を配置させた。それを囮に全軍では包囲形も狙っている。
サギ2
サギ

【07. 『台車陣形』】

名称:Shakata vyuha  『台車陣形』“शकट व्यूह”
内容:方陣のような形を形勢する。そこに誘い込んで迎撃。

詳細不明。解釈がバラバラである。少将の解釈では中央に武将と精兵を並べ、更にその両脇に兵士を配置、中央後方に縦列の予備を置くとしている。
box
台車_Kauravas_Shakata_Vyuha

【08. 『雷陣形』】

名称:Vajra vyuha  『雷陣形』“वज्र व्यूह”
内容:戦闘に名のある武将と精兵を置き、後続を細長く配置する

詳細不明。少将の解釈では、精兵を前面に置き突破口形勢を図り、そこから後続が突破口拡大すると予測しているが、これは後世の影響を受けた想像図の可能性もある。ただ武将が前面で闘うのが珍しくなかった時代ではこういった形態もそこまで不思議ではない。ダイヤモンド陣形で中央に武将を置き周囲を兵士が方陣で囲んでいると紹介している英語サイトもあるなど謎。ダイヤモンド陣形は実利論にも登場する。
雷陣
diamond


【09. 『亀陣形』】

名称:Kurma vyuha  『亀陣形』 “कुर्मा व्यूह”
内容:円形または方形に近い形で防備を固める陣形

詳細不明。防御陣形と思われるが円環陣形などと混同されることが多い。

【10. 『円環陣形』】

名称:Chakra vyuha  『円環陣形』 “चक्र व्यूह”
内容:円形に部隊を展開する陣形。円周の内部にも部隊を配置する。

チャクラと言う名称。円陣の類型の1つと思われる。渦巻き形で、相手を外縁の隙間に誘い込んでおいて中に突破したと相手に思わせた後で逆襲させると表現されることもある。少々怪しいがチャクラ陣の彫り物が残存しているなど一概に創作扱いできない。中国にも同様の話あり。
円環_Chakra-Vyuha

【11. 『蓮華陣形』】

名称:Kamala vyuha / Padma vyuha 『蓮華陣形』 “पद्म व्यूह”
内容:円陣または半円だが、部分的に突出部をいくつもつくる陣形

蓮華の花びらのように幾つかの凸型部隊があり、外縁部がギザギザになる。後世の星型稜堡のような多角的な迎撃の考え方をしたのかもしれないが詳細は不明。非常に興味深い。
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Padma Vyuha_0

【12. 『花輪陣形』】

名称:Mala vyuha  『花輪陣形』
内容:幾つかの部隊ごとにそれぞれが密集するが、全体としては円陣を作る

詳細不明。類型が多くサンスクリット語の該当箇所が見つけられず。
ただ内容は、花=1個部隊がいくつも束ねられ全体の陣形を形作るというニュアンスであり、そこまでおかしなものでもない。

【13. 『角陣形』】

名称:Sringataka vyuha  『角陣形』 “श्रीन्गातका व्यूह”
内容:突出部隊を1~2つ配置してツノの形状を全体として作る。

詳細不明。ツノには突撃部隊かあるいは一騎打ちを求める将を配置したようだ。あくまで攻撃の重点形勢を意味し、同じくツノの意味を持つズールーの陣形ような包囲狙いでは無いと思われる。

【14. 『曼荼羅陣形』】

名称:Mandala vyuha  『曼荼羅陣形』“मंडल व्यूह”
内容:中心の本陣から放射状に各部隊を配置する

マンダラ模様のように中心に主力または重要な将を置き、そこから対象的な形で各部隊を周辺に配置する。円陣及び花輪陣と類似性が見られる。
ちなみに英語ではギャラクシー・フォーメーションで銀河陣形かと最初混乱した。星々のように散兵を配置するのかと妄想したらサンスクリット語は普通のマンダラだった。

【15. 『阿修羅陣形』】

名称:Asura vyuha  『阿修羅陣形』 “असुर व्यूह”
内容:謎

謎の陣形。英訳ではデーモン・フォーメーションとされる。おそらくはアシュラ像の典型のような形状から連想されたと思われる。それぞれの将軍がアシュラ像の複数の手のように独立部隊を伸ばしたのかもしれないが、英文の中にはデーモン・ヘッドという描写をしているものもある。相手が「神陣形」をとったことからこの2つは対になる陣形と思われる。

【16. 『神陣形』】

名称:Deva vyuha  『神陣形』 “देव व्यूह”
内容:謎

謎の陣形。インドで神を意味する名を与えられている。ヴィシュヌ神のことかとも思われるが詳細は一切不明。アシュラ陣形の対になる形で描かれている。

【17. 『蛇剣陣形』】

名称:Khaddag Sarp Vyuha 『蛇剣陣』“खड्ग सर्प व्यूह” 
内容:謎

詳細不明。蛇陣形または蛇の剣陣形ともあるが訳がそもそも間違っているかもしれない。蛇行した形状を連想するがそれがどのような効果なのか、縦なのか横なのかも謎に満ちている。

【18. 『針陣形』】

名称:Soochi vyuha  『針陣形』
内容:細く尖った縦陣を形勢し、後部にはやや集中的に部隊を配置する。

縦陣。ただし先端が主力とは限らず、後部に名のある武将が配置される場合もあるようだ。
針_Kaurava_Suchi_Vyuha

【19. 『全周防御陣形』】

名称:Sarvatobhadra Vyuha 『全周防御陣』 “सर्वतोभद्र व्यूह”
内容:全方位に対して防御できるように配備する陣形

決まった形ではなく、全周対応型の陣形のことをこのように読んでいるようだ。地形や敵陣に合わせて対応をしている。当然方陣や円陣とも被る場合もある。

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以上。その他の不明の陣形もまだあります。(例:太陽陣、誇陣、)

 英語でもサンスクリット語でもいくつかの陣形は混同されていることが多く、単純な間違いというだけでなく、いくつかの陣形タイプを内包するニュアンスの言葉であると思われます。

 英訳とサンスクリット語を比較していて感じたのですが、サンスクリット語はマンダラや阿修羅など日本で馴染みある単語があるため、英訳だけだと混乱することが多いです。(英語でマンダラをギャラクシーと翻訳したり、阿修羅をデーモンとしている)
 でもギャラクシー・フォーメーションとかデーモン・フォーメーションの響き好きだから使いたかったです…。

小考

 どの程度本気で捉えて良いのか戸惑うのですが、学者や軍人の方々が調査しているだけあり、調べていくうちにいくつかは不可解ではない陣形だと思えました。

 ただしマジュンダール先生の古典名著「古代インドの軍事システム」ではこの手の陣形はほとんど取り上げられていません。(見落としていたらすいません)

 インド映画やドラマなどでは伝説そのままの描写がたまに見られて面白いですし、古代中国ともどこか類似性が感じられるのも興味深い所です。

 各陣形の信憑性はともかくこれらの陣形の逸話で一番重要なのは、古代インドでは軍隊の配列により攻勢・守勢に大きな変化をもたらすことが広く認識されていたという点だと思います。そして将の位置に対しても無頓着でも、単純な勇敢な戦士という扱いでもなく、それを活かす思索がなされています。

 古代インドは様々な民族の流入があり、多くの知識が混在しています。アーリア人の進入や古代16大国時代が初期にあり、その後のギリシャ・マケドニア系の勢力が建立されていたことも調べる上で重要です。インド亜大陸をほぼ統一したマウリヤ朝、北方遊牧民の影響もあるというクシャーナ朝、デカン高原などの中央内陸部のサータヴァーハナ朝、そしてマハーバーラタの最後の編集がなされたという大国グプタ朝。これらの戦例を調べていく際に上記の陣形を頭の片隅に入れておくともしかしたら何か思い浮かぶことがあるかもしれません。
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 ここまで読んでいただきありがとうございました。
 
まだまだわからないことだらけですので見識ある方、ご助言いただければ大変感謝します。
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[一覧]

01. Trishula vyuha 『三叉陣形』“त्रिशूल व्यूह”
02. Garud vyuha 『鷲陣形』“गरुड़-व्यूह”
03. Makara vyuha 『鰐陣形』 “मकर व्यूह”
04. ArdhChandrakala vyuha  『三日月陣形』“अर्धचन्द्र व्यूह”
05. Oormi vyuha  『海陣形』
06. Krauncha vyuha  『鷺陣形』“क्रौंच व्यूह”
07. Shakata vyuha  『台車陣形』“शकट व्यूह”
08. Vajra vyuha  『雷陣形』“वज्र व्यूह”
09. Kurma vyuha  『亀陣形』 “कुर्मा व्यूह”
10. Chakra vyuha  『円環陣形』 “चक्र व्यूह”
11. Kamala vyuha / Padma vyuha 『蓮華陣形』 “पद्म व्यूह”
12. Mala vyuha  『花輪陣形』
13. Sringataka vyuha  『角陣形』 “श्रीन्गातका व्यूह”
14. Mandala vyuha  『曼荼羅陣形』“मंडल व्यूह”
15. Asura vyuha  『阿修羅陣形』 “असुर व्यूह”
16. Deva vyuha  『神陣形』 “देव व्यूह”
17. Khaddag Sarp Vyuha 『蛇剣陣』“खड्ग सर्प व्यूह” 
18. Soochi vyuha  『針陣形』
19. Sarvatobhadra Vyuha 『全周防御陣』 “सर्वतोभद्र व्यूह”
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【関係ない余談】

 今後も陣形について記載しますが、形状ではなくあくまでもたらされる効果を重視していきたいと思っています。と言っても陣形は運用効率化の中で整備された面があり軽視はしません。後で見返し易いように現在試行錯誤中で、陣形もタグの1つです。

 良い分類アドバイスやタグ付けの要望があればどうか、本当にお願いします。とにかく整理しないとまずいです…。

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【参考文献】
カウティリヤ(?), "実利論" 
"マハーバーラタ"英訳
"マハーバーラタ"原典邦訳 6巻,7巻 上村勝彦 訳
Maj Gen (Dr.) GD Bakshi,  "STRATEGY ,WAR ANDWEAPONS IN THE MAHABHARATA"
ビマル・カンティ・マジュンダール, (1960), "古代インドの軍事システム"

【サイト】
http://lonelyphilosopher.com/ranks-and-hierarchies-of-soldiers-in-mahabharata-war/
http://mahabharata-research.com/military%20academy/vyuhas%20-%20the%20strategic%20formations.html
http://www.sanskritimagazine.com/indian-religions/hinduism/military-formations-in-mahabharata/
http://gr8kushwaha.blogspot.com/2015/03/blog-post_25.html
http://www.abovetopsecret.com/forum/thread962313/pg1
http://sacredtulsi.blogspot.com/2014/09/battle-formations-in-mahabharata-war.html
https://shrivastavapulkit.blogspot.com/2017/12/types-of-vyuha-military-formations-used.html
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メモ
英訳版 意味が少しずれている


01. Krauncha vyuha  『鷺陣形』(heron formation) 
02. Makara vyuha 『鰐陣形』 (crocodile formation)  山羊? 魚? ワニ?
03. Kurma vyuha  『亀陣形』(turtle formation) 
04. Trishula vyuha 『三叉陣形』 (trident formation) 
05. Chakra vyuha  『円環陣形』(wheel formation) 
06. Kamala vyuha / Padma vyuha 『蓮華陣形』 (lotus formation) 
07. Garud vyuha 『鷲陣形』 (eagle formation) 
08. Oormi vyuha  『海陣形』(ocean formation) 
09. Mandala vyuha  『銀河陣形』(galaxy formation) 
10. Vajra vyuha  『菱形陣形』(diamond formation) 
11. Shakata vyuha  『方形陣形』(box formation) 
12. Asura vyuha  『魔陣形』(demon formation) 
13. Deva vyuha  『神陣形』(divine formation) 
14. Soochi vyuha  『針陣形』(needle formation)
15. Sringataka vyuha  『角陣形』(horned formation) 
16. Chandrakala vyuha  『三日月陣形』(crescent formation)  半月陣のほうが良いか
17. Mala vyuha  『花輪陣形』(garland formation)

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マハーバーラタ:クルクシェートラの戦い


1st Day:

Kauravas – Bheesma – “सर्वतोमुखी दण्डव्‍यूह”(“Sarvatomukhi Dand Vyuha”)  不明 前方に武将の円陣、中央に横陣、後方に縦陣という予備を大量に置いた陣形
不明Kauravas_Sarbatomukha Vyuha
Pandavas – Arjuna -“वज्र व्यूह”(“Vajra Vyuha”) 菱形陣形

2nd Day

Kauravas- Bheesma -“गरुड़-व्यूह” (“Garuda Vyuha”) ワシ陣形
Pandavas- Dhristyadhumna -“क्रौंच व्यूह” (“Krounch Vyuha”) サギ陣形

3rd Day

Kauravas – Bheesma – “गरुड़-व्यूह”(“Garuda Vyuha”) ワシ陣形
Pandavas – Arjuna – “अर्धचन्द्र व्यूह” (“Ardhchandra Vyuha”) 三日月陣

4th Day

Kauravas – Bheeshma – “मंडल व्यूह” (“Mandal Vayuha”) マンダラ陣形
Pandavas – Arjuna – “श्रीन्गातका व्यूह” (“Sringataka Vyuha”) つの陣形

5th Day

Kauravas – Bheeshma – “मकर व्यूह” (“Makar Vyuha) ワニ陣形 山羊陣形
Pandavas – Arjuna – “श्येन व्यूह”(“Shyen Vyuha”) タカ陣 ワシとの違い不明。突出部か

6th Day

Kauravas – Bheeshma – “क्रौंच व्यूह” (“Krounch Vyuha”) サギ陣形
Pandavas – Dhrishtdyumna – “मकर व्यूह” (“Makar Vyuha”) ワニ陣形

7th Day

Kauravas – Bheeshma – “मंडल व्यूह” (“Mandal Vyuha”) マンダラ陣形
Pandavas – Arjuna – “वज्र व्यूह” (“Vajra Vyuha”) ひし形陣

8th Day

Kauravas – Bheeshma – “कुर्मा व्यूह” (“Kurma Vayuha”) 亀陣
Pandavas – Arjuna – “त्रिशूल व्यूह” (“Trishul Vayuha”) 三叉陣

9th Day

Kauravas – Bheeshma- “सर्वतोभद्र व्यूह” (“Sarvatobhadra Vyuha”)   全周防御陣
Pandavas – Arjuna – “नक्षत्र मण्डल व्यूह” (“Nakshtra Mandal Vyuha”) マンダラ

10th Day:

Kauravas – Bheeshma – “असुर व्यूह” (“Asur Vayuha”) 阿修羅陣形
Pandavas – Arjuna- “देव व्यूह” (“Dev Vayuha”) 神陣形

11th Day:

Kauravas – Drona – “शकट व्यूह” (“Shakat Vyuha”) 方陣 台車というニュアンス
Pandavas – Arjuna – “क्रौंच व्यूह”( “Krounch Vyuha”) サギ陣形

12th Day:

Kauravas – Drona – “गरुड़ व्यूह” (“Garuda Vyuha”) ワシ陣形
Pandavas – Arjuna – “अर्धचन्द्र व्यूह” (“Ardhchandra Vayuha”)  三日月

13th Day:

Kauravas – Drona – “चक्र व्यूह” (“Chakra Vyuha”) 円環陣
Pandavas – Abhimanyu – No Vyuha was formed on this day because Abhimanyu was the only warrior that entered Enemy’s formation while rest of the army was held back on gate 1.   なし

14th Day:

Kauravas – Drona – “चक्रशकट व्यूह”,  (“Chakrashatak Vayuha) 円環
Pandavas – Arjuna – “खड्ग सर्प व्यूह” (“Khaddag Sarp Vyuha”) ? 蛇

15th Day:

Kauravas – Drona – “पद्म व्यूह”(“Padma Vyuha”) 勲章メダル の形 蓮華
Pandavas – Arjuna – “वज्र व्यूह” (“Vajra Vyuha”) ひし形 カミナリ陣

16th Day:

Kauravas – Karna – “मकर व्यूह” (“Makar Vyuha”) ワニ
Pandavas –  Arjuna – “अर्धचन्द्र व्यूह”(“Ardhchandra Vyuha”) 三日月

17th Day:

Kauravas – Karna- “सूर्य व्यूह” (“Surya Vyuha”) ? 太陽陣
Pandavas – Arjuna – “महिष व्यूह” (“Mahish Vyuha”) ? 誇り 陣形 

18th Day:

Kauravas – Shalya – “सर्वतोभद्रव्यूह”(“Sarvatobhadra Vyuha”) 全周防御
Pandavas – Arjuna – “क्रौंच व्यूह”( “Krounch Vyuha”) サギ