戦史の探求

戦史の情報を整理し探求するサイトです。 古今東西の全てを対象とし、特に戦況図や作戦図に着目しながら戦略・作戦・戦術について思索します。

カテゴリ: 第2次リビア内戦

 リビア内戦において、2020年5月まではLNA(トブルク政府側)の戦略的攻勢期でした。そしてついに2020年6月初頭にそれは崩れ、GNA(トリポリ政府側)の攻勢期に移りました。より詳細部に触れるとGNAの逆襲作戦『憤怒の火山』などがあり両軍の膠着状態がトリポリ近郊で長らく続き、交通の要衝や空港を激しく奪い合う膠着期間がありました。

 その中で見られた作戦および戦術は興味深いものであり、戦史上幾度も議論された事象に関係していました。今回はリビア内戦の中でも最上級に大規模で大胆な、2019年4月よりLNAが発起した西部戦役の攻勢主軸を巡る紹介と考察をしてみたいと思います。
20190404_西部戦役
 軍事的/非軍事的を問わず多くの要因が戦局に影響を与えましたが、本稿で焦点とするのはただ1点、LNAのトリポリ突進は作戦レベルで適切な軍事的判断であったかどうか、それのみです。軍事的概念に置き換えるなら、周辺の敵拠点を占領せずに大規模補給拠点から遠く離れた敵中核都市の奪取に主力を突進させる方針の是非、となります。
続きを読む

 現在進行中の第2次リビア内戦の航空戦力について2019年前半期時点での戦力及び攻撃概要を列挙します。
 トリポリ政府の主力軍GNAとトブルク政府のLNAそれぞれが航空戦力を保有しており、基本的にGNA派空軍とLNA派空軍と呼称されるため今回はそれに習います。両派共極めて苦しい事情の中でやりくをしていますがそれでも地上軍への航空支援で大きく活躍をしています。
続きを読む

↑このページのトップヘ