戦史の探求

戦史の情報を整理し探求するサイトです。 古今東西の全てを対象とし、特に戦況図や作戦図に着目しながら戦略・作戦・戦術について思索します。

タグ:イギリス

スコットランド国立図書館公開戦史資料

 スコットランド国立図書館(National Library of Scotland)が所蔵公開している資料の紹介です。
軍事地図ページアドレスは下記で、ここからいくつか分野ごとに資料へと繋がります。
https://maps.nls.uk/military/ 

 この図書館サイトの特徴的な利便性は、文章目次に加えてグラフィック地図から地点クリックで図版を辿れるようにしていることです。特に塹壕地図集は使いやすく充実しており塹壕戦愛好家(?)の間では有名だそうです。
 極めて簡潔に使用法解説を図書館サイトでしてくれているので日本語紹介する必要無い気がしますが…一応書いておきます。

第一次世界大戦塹壕図集

『WW1西部戦線塹壕MAP集』 →説明ページリンク
https://maps.nls.uk/ww1/trenches/info2.html

 図版集グラフィックインデックス →リンク
https://maps.nls.uk/geo/find/#zoom=8&lat=50.0508&lon=2.8399&layers=60&b=1&point=0,0

【使用方法】
 グラフィック図版集を開くと使用方法がでます。毎回出るので右下にある「使用方法を再度表示はしない」をクリックしておくほうがいいかと思います。
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 使い方は至ってシンプルで、地図上の茶色枠で囲われた箇所をクリックすれば該当する塹壕図が右側に一覧で表示されます。時期が短文で書かれているので目当てのものを選べば図版が表示されます。
 図版データはどれもかなり巨大でズームアップしないとよく見えないかと思います。フルサイズダウンロードは購入すれば見れますがほぼ必要ないほどスコットランド国立図書館のサイトの利便性は良いかと感じます。
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 またこのグラフィック地図状態からそのまま左側にある「Find a Place」で条件を変えれば他の地図集のグラフィックインデックスへも直接飛べます。例えば英国の19世紀の住宅地図が見たければGreat Britain, Ordenance Surveyをカテゴリ選択すれば良いだけです。
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 21世紀の日本では地図の公開は広く行われていますが、近代において詳細地図は軍事最重要情報の1つとして機密扱いの物もあり調査保管も軍関係の部署が担当しました。
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 以下は軍事地図ホームから見られる各カテゴリの紹介です。
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 ウィリアマイト戦争の最終盤においてジャコバイト・ウィリアマイト両軍は最も激しい戦闘を交え、文字通りの決戦となりました。その会戦はイギリス・アイルランド史において極めて重大な出来事として知られています。そして本会戦の戦術は野戦での包囲戦術に対し重要な思索を与えてくれています。 
 本拙稿はアイルランドで人々が戦い抜いた終末、オーグリムの戦いについて記述したいと思います。
1691_Battle of Aughrim_片翼包囲と死闘
→【ボイン川の戦い_1690_迂回】の歴史上での続きとなります。続きを読む

 ナポレオンの最後の戦い、ワーテルローの戦いで彼を破った勝者として抜群の手腕を認められている人物
初代ウェリントン公爵アーサー・ウェルズリー

 ワーテルロー以前にインドで快進撃を続けたことで英国内で彼の名声は確立していました。そして続いて対ナポレオン戦争へ挑みスペインでスルト、ジュノー、マッセナ達ナポレオン配下の優れた将軍を相手に優勢に進め欧州中にその名を知らしめます。
 彼は戦略的には攻勢でありながら、会戦では優位な地形を占め態勢を整え相手を待ち受ける守戦を得意とし慎重なその采配は高い評価を得ています。
 
 ただ勿論ウェリントン公は常に優位な地形で防戦という状態を迎えられたわけではありません。時に自分から突撃が必要な際には激烈な攻勢に出ました。
 今回はウェリントン公の指揮官として初期の、そして彼にとって最も血塗れた損失をだした戦いの1つだと言われるアッサイェの戦いについて記載しようと思います。

Battle_of_Assaye_advance
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 米独立戦争・南部戦域において1つの転機となる会戦がありました。キャムデンの戦いと呼ばれることになるこの会戦で独立派・大陸軍は危機的な戦況へと追い込まれることとなります。
 英国軍の練度と装備が充実していたため優勢だったと言われることの多い独立戦争ですが、この時に見せた王党派・英国軍の戦術は実に明確でかつ果敢なものでした。
battle_of_camden-single-envelopment

(以下本文敬略)


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