近世西欧における攻城戦はかつてのローマの如く大規模な土木工事を城攻めの際に行うことが頻繁に見られるようになりました。そして守る側もまた巨大で複雑な要塞群をもって彼らを迎えました。

 今回はその中の1つ、パルマ公が行ったアントワープ包囲戦について記載しようと思います。

 オラニエ公ウィレムを中心とするオランダ独立派が行った80年戦争初期の中でも危機の一つとして数えられる戦いです。近世において名高いパルマ公はこの戦いで欧州戦史にその個性を刻み込みます。
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