2019年春、米空軍大学出版のAir & Space Power Journalにある論考が掲載されました。論題は「Small Unmannned Aerial Systems and Tactical Air Control」。ハースト少将が記述したこの論文は空軍そして陸軍による航空軍事作戦・戦術のコンセプトに対して極めて興味深い思索をしています。これから少し経った3/28、ハースト少将は軍事安全保障サイトWar on the Rocksに寄稿、論作の中で取り上げた戦術的空域コントロールの概念とその背景について要約した解説をしてくれました。
 今回この戦術空域コントロールコンセプトについて意見を少しでも聞けたらと試訳を行いました。

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 以下訳文
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発達しゆく戦術空域コントロールを巡る戦闘

Jules Hurst著  2019年3月28日

 空域コントロールを巡る競争の中で、小型無人航空システムの成熟と拡散普及により新たな段階が生まれている。2017年、ISILと米軍の支援を受ける軍事勢力との間で戦術的制空権(Tactical Air Supremacy)を巡る最初の戦闘の1つが戦われた。1000$未満の商業ドローン即席ジャマー、そして小規模武装の間の戦いだ。ISILが2000フィート(約600m)以下の航空優勢を握っていた期間でも、米軍と連合軍はそれより上空の制空権を握っていた。
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